「働きたい」の前に、考えたこと

※個人の特定を防ぐため、一部エピソードを調整して記載しています。

あのとき出会った方のこと

就職支援の仕事をする中で、今でもふと思い出す方がいます。

配偶者が海外の方で、定期的に長期間日本を離れる環境の中、3人のお子さんを育てている方でした。
また、お子さんの発達について地域の療育機関と連携しながら日々を過ごされていました。さらに、ご主人も数ヶ月後には退職を控えている状況でした。

そんな中で「働きたくて」と話してくださったとき、安易に求人を提案することはできませんでした。

働き方の前に、一緒に整理した時間

働き方の前に、生活のバランス。
理想の前に、現実の優先順位。
何がこの方にとって本当の意味でプラスになるのか、無理のない形を考え続けていました。

療育のスケジュールや日々の流れ、頼れる人の有無、そして大切にしたいこと。
ひとつずつ、急がず言葉にしていきました。

選ばれた働き方

4~5回の面談を経て、その方は経験を活かしながら子育てと両立できる働き方を選ばれました。

「これなら、やっていけそうです」

その言葉と表情が、今でも印象に残っています。

あの経験と、今

答えを求められる場面も多い仕事ですが、背景を置いたまま進めてしまうことのほうが、ずっと怖い。
あのときの経験が、今の考えにつながっています。

公的機関を選んだ理由

これまで主に公的機関での就職支援を経験しました。

民間の人材営業という選択肢もありましたが、他商材の営業職を経験する中で、「数字を追うこと」と「目の前の人の気持ちを尊重すること」のバランスに悩む場面がありました。

人の選択には背景や思いがあることを実感していたため、人に関わる仕事では、同じように向き合うことに違和感を覚えました。

その方の見えている部分だけでなく、背景まで含めて向き合いたい。

そんな思いから、公的機関で働く道を選びました。

また、いずれは自分なりの形でサービスを届けたいという考えもあり、幅広いケースに関われる環境を選んだ側面もあります。

おわりに

今も、すぐに答えを出すことより、その人にとって続いていく選択かどうかを、一緒に考える時間を大切にしています。

キャリアは一直線ではなく、生活と重なりながら揺れていくもの。
だからこそ、一緒に一つずつ紐解きながら、これからの土台や歩みを作っていけたらと思っています。